「主要農作物種子法(種子法)」の2018年4月1日の廃止を受け、埼玉県議会では「埼玉県主要農作物種子条例」が全会一致で可決、成立しました。
昭和27年に制定された種子法。戦後の国家的要請を背景に、国・都道府県が主導して、優良な種子の生産・普及を進める必要があるとの観点から制定されました。
ところが2016年の規制改革推進会議農業ワーキンググループの議論から、「地方公共団体中心のシステムで、民間の品種開発意欲を阻害している主要農作物種子法は廃止する」という問題提起を受けて、種子法廃止が決定しました。
同法の廃止は、国民の基礎的食料である米、麦、大豆の種子を国が守るという政策を放棄するもので、優良な種子が安定的に供給されるか、生産現場では不安が広がっていました。
JAグループさいたまでも、全国の動きに歩調を合わせながら、2017年2月、2017年6月、2017年9月~10月にかけて、埼玉県農林部、埼玉県議会各党に対して、安定供給に資する種子計画を策定すること、種子の品質確保に資する原種・原原種の生産及び審査を引き続き行うこと、優良な種子を安定して生産できるよう予算を確保すること等、種子の安定供給確保に向けた要請活動を行ってきました。
こうしたなか、自民党埼玉県議団からの議案提出を受け、埼玉県議会では「埼玉県主要農作物種子条例」が、全会一致で可決、成立しました。
こうした条例を定めているのは、本県のほか、新潟県、兵庫県となっています。
JA埼玉県中央会・連合会の若林会長は、「生産者にとって優良な種子の確保は、何よりも大事なこと。種子法の廃止で生産者は大変不安に思っていたが、今回の条例で優良種子の安定的な確保がより確実になった」と、歓迎するコメントを発表しました。