夢をはぐくむ 学校ファーム
「埼玉県みどりの学校ファーム」Web版
はじめに
埼玉県は、米や麦、野菜、果物、畜産物、茶、花きなど穏やかな気候と豊かな自然に恵まれて、各地でバラエティー豊かな農畜産物が一年を通して生産されています。特に、こまつな、さといも、ねぎ、ブロッコリーなど野菜の生産では、全国有数の産地となっています。首都圏のなかでも多くの農地が広がり、農業の営みを身近に感じられる「暮らしのとなりが産地です」。
JAグループさいたまは、平成20年度に埼玉県知事と「埼玉県みどりの学校ファーム」に関する連携協定を結び、県内の小・中学校の校内や周辺の農地などを利用して、子どもたちが農業体験学習をすることで自然や命、食や農、さらに応援してくださるPTAや地域の方々など、様々な結びつきを通して豊かな人間性や社会性を育んでいただくことを目的に、野菜の種・苗などを無償提供する取組みをすすめています。
この冊子は、学校ファームの運営に携わる方々が子どもたちへ栽培指導をする際の補助教材として作成されたものです。紹介している作物は学校ファームで提供している品種はもちろんのこと、県内で広く栽培されている「果菜類」「葉菜類」「根菜類」から28 種類、米や麦を加え、合計30種類の作物を掲載しました。作物を育てる過程で、子どもたちに学んでいただきたいポイントを「見つける」「育てる」「食べる」「伝える」の視点からとらえ、イラストを多用しわかりやすく解説したほか、栽培計画のたて方、農機具の使い方、観察ノートの書き方、郷土料理のレシピなど、子どもたちだけではなく、指導する方々にも興味を持っていただけるように編集しました。
この補助教材が学校ファームに携わる多くの方々に活用され、たわわな実りとともに子どもたちの健やかな成長の一助になれば幸いです。
最後に、発行にあたり全体監修を務めていただいた麻生健洲氏をはじめ、埼玉県農林部の皆様から多くの助言、情報提供をいただき、心より感謝を申し上げます。
令和2年4月
JAグループさいたま